韓国には日本ではあまり見られないおもしろい建物がけっこうありますが、ソウル郊外にユニークな建物がたくさん見られる場所があります。
「ヘイリ芸術村」という建築、絵画、映像、音楽、文学などのいろんな分野の芸術家、アーティストたちが集まって暮らす、文化と芸術のためにつくられた街があるんですが、
そこの建築物は自然環境とよく調和し、20世紀のモダニズム的な視点をよく表現していると、韓国の建築精神を活かした名所として評価されています。
- 自然環境を最大限、維持する
- 3階建て以上の建築物は禁止
- 各分野に適した建築物を、専門建築家が設計し建てる
- 完成した建築物もまた環境の一部になるようにする
いろんな建築賞を受賞している建物も多いよ!
とにかく東京ドーム10個分、15万坪もあってとても広いんですが、ぶらぶら散策していても目に入るものが新しくておもしろいので、特に建築に興味のある方には『ヘイリ芸術村』をおすすめします!
建築に詳しくなくても、おもしろいよ~
ユニークな建築物
遠くから見るだけでもおもしろいですが、著名な建築家の建物や建築文化大賞などを受賞したものまで、いろいろあります。
内と外が区別されていない建物、地形をそのまま生かして斜めに建てられた建物、長方形ではなく、自由な形の建物など、様々な建築物が個性を誇っています。
写真撮影:パンダ夫人
Cafe Between
大きな箱がのったような特徴的な建物で、とても目立つ『Cafe Between』。
韓国建築文化大賞「優秀賞」受賞。ヘイリ芸術村の象徴的な建物です。
建築家:김좌동(キム・ジャドン)
Book House
『Book House』はその名のとおり「本の家」で、本が主人になるよう建築されています。
こちらもヘイリ芸術村の象徴的な場所ですが、現在は改装のために閉まっています。
グランドピアノのような曲線が特長的な木で作られた外装も、時間と共に経年変化してしまったからでしょうか。
まだ工事は始まっていなかったので、外観はそのままで、窓から中ものぞくことができましたが、これからどうなるのかまたアップデートしますね。
建築家:김준성(キム・ジュンソン)
HANGIL BOOK MUSEUM
『Book House』を運営している出版社、ハンギル社の本の博物館。
『Book House』のすぐ隣にあって、同じ建築家が設計しています。
韓国で建築をする人にとって最高の栄誉とされる第19回キム・スグン文化賞受賞。
建築家:김준성(キム・ジュンソン)
ADAMAS 253
キューブが重なってできたような個性的な建物です。
韓国建築文化賞、京義道建築文化賞、 坡州市建築文化賞を受賞しています。
建築家:이호성(イ・ホソン)
GARDEN US
昨年12月に新しくできたばかりのカフェ。
数々の賞を受賞している建築界の巨匠が作った作品で、コンクリートの打ちっぱなしの大きな建物。
今年の韓国建築文化大賞「大統領賞」候補として出品されるとのこと。
建物の構造もおもしろく、橋を作る工法で2階から建物が宙に浮かんだようになっています。
備え付けられているソファの色や形も相まってとてもモダンな印象。
建築科:곽희수(クァク・ヒス)
BSSM(ベク・スンシル美術館)
美術館の後ろの入口ですが、よく見ると木が建物から飛び出してますね。枝1本1本に合わせて穴をつくり、もともとあった木をそのまま活かして建築したそうです。
ヘイリ芸術村自体もそうですが、自然との調和や生態を残すというポリシーが感じられます。
木も建物の一部になってるね
カフェも併設されています。直線を多用しているにもかかわらず柔らかい雰囲気があって目を引きます。
建築家:우경국(ウ・ギョングク)
Gallery MOA
少し古くなってしまった感はありますが、韓国建築家協会賞を受賞し、古代から現代までの世界中の名建築を集めた本「死ぬまでに見たい世界の名建築1001 」に韓国現代建築としては初めて選定されました。
建築家:우경국(ウ・ギョングク)
BOOK CAFE BANDI
建物の形が独特で、上から見たら葉っぱのような形になってます。
建築家:헬렌박(ヘレン・パク)
世界の鉱物宝石博物館
メッシュのたくさんの箱に包まれたような建物。
どうしてこんな形になったんでしょう?おもしろいです。遠くからでも目をひきます。
建築家:유재현(ユ・ジェヒョン)
韓国装身具博物館
この博物館の建物の独特なブルーの色も特殊な色だと聞いたんですが、詳細を覚えておらず…。
きれいなブルーです。
建築家:헬렌박(ヘレン・パク)
CAFE WITH BOOKS
3階建ての建物の壁面の大部分がガラスでショーウインドウのような感じ。
ガラスに本のイラストが描かれているのもかわいいです。
建築家:김기환(キム・ギファン)
forest garden(마당안숲)
韓国建築文化大賞「優秀賞」を受賞しているゲストハウス。
敷地内の高低差や中心部にある森を発想の転換で建築に活かした作品。
個人的には何気なく置かれた自転車やガーデニングのしつらえがとてもお気に入り。
建築家:김인철(キム・インチョル)
motif1(모티프원)
こちらもゲストハウスですが、緑に囲まれた環境になじむよう露出コンクリートが薄緑色で、建物と自然が一体化しています。
建築家:조민석(チョ・ミンソク)
その他
映画『JSA』『オールド・ボーイ』『お嬢さん』のパク・チャヌク監督の個人住宅もヘイリ芸術村の中にあります。
韓国建築文化大賞特選、建築家協会賞受賞。
中は見えませんが、23個の庭園が壁と壁で分けられていて、監督のご両親(お父さんは建築科教授)と二世帯で暮らしているそうです。
建築家:김영준(キム・ヨンジュン)
箱が重なりあったような建物。
著名な建築家が建てたものらしく、今はちょっと歳月で錆びた感じになってしまっていますが、使われた素材やデザインが注目された建物だったそう。
建築家:주영정(ジュ・ヨンジョン)
住宅が連なっていますが、似て非なる形がおもしろいです。
木を格子状に組み合わせた独特な建物。
「ヘイリ芸術村」の中では一見普通に見える建物でも、やっぱりディテールを見ると普通じゃなくおもしろいですね。
ヘイリ芸術村は広いのでまだまだ発見があるはず!
最後に:韓国の現代建築を見るならヘイリ芸術村
ここまで私が知っているヘイリのおもしろい建築物を紹介しましたが、どうでしたか?
実は私も、まだまだヘイリ全体を見たわけではなく、とても広くて見きれないのが実情です。
『ヘイリ芸術村』自体も自然をなるべくそのまま活かすように造られているので、道はアスファルトで埋めてしまわないで、石畳で作られています。
道も曲線が多く、美術館やギャラリーを訪ね歩いていくイメージでつくられているそう。
ここにざっと挙げただけでもいろんな受賞作品や、見た目にもおもしろい建築が多いので、ぜひ興味のある方は直接行って、散歩してみてくださいね!
きっと新しい発見がありますよ!
見ごたえがある建物がこんなに集まってるところはないよ
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